大人気漫画「呪術廻戦」の物語の中でも、特に衝撃的な展開が続く「渋谷事変」。その混沌とした戦いの序盤に突如として現れ、多くの読者や視聴者に強烈なインパクトを与えたバッタの姿をした呪霊がいます。この記事では、その「呪術廻戦こうがい(蝗GUY)」という特異なキャラクターに徹底的に焦点を当てていきます。
呪術廻戦に登場するバッタの呪霊、その名前は蝗GUYですが、一体アニメの何話でその姿を見ることができるのか、また、彼の個性を際立たせた呪術廻戦の蝗guyの声優は誰なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、彼が自信満々に放った「蝗guyは賢い」という象徴的なセリフの真意から、なぜ一部のファンの間で蝗guyがかわいい、あるいは呪術廻戦のバッタはかわいい、と囁かれるようになったのか、その理由を深く掘り下げます。
さらには、なんJをはじめとするインターネット上のコミュニティで彼がどのように語られているのか、そのリアルな評価まで、あらゆる角度から彼の魅力と謎に迫ります。この記事を最後までお読みいただければ、蝗GUYという一度見たら忘れられないキャラクターに関する、あなたのすべての疑問が氷解するはずです。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- 蝗GUYの正体、名前の由来、そしてその強さの全貌
- アニメや原作漫画での具体的な登場話数と、キャラクターを形作った担当声優の詳細
- 「賢い」というセリフの背景や、なぜ「かわいい」という意外な評価を受けるに至ったかの分析
- インターネット上でのユニークな評価や、物語における彼の真の役割
呪術廻戦こうがいの正体と基本情報を解説
- 呪術廻戦のバッタの名前は蝗GUY
- 蝗GUYの強さは?等級と能力を紹介
- 自称「蝗guyは賢い」というセリフの真相
- 呪術廻戦のバッタは何話に登場する?
- アニメ版呪術廻戦の蝗guyの声優は誰?
- 呪術廻戦のバッタの声優はかぬか光明
呪術廻戦のバッタの名前は蝗GUY
「呪術廻戦」の物語が大きく動く「渋谷事変」編において、序盤に登場した巨大なトノサマバッタのような姿を持つ呪霊。彼の名前は「蝗GUY(こうがい)」と申します。
この一風変わった名前は、作中で偽夏油(羂索)一派として暗躍する呪霊・真人が名付け親です。蝗GUYという名前は、単なる思いつきで付けられたわけではありません。その根源には、現実世界にも存在する深刻な災害「蝗害(こうがい)」が深く関わっています。
蝗GUYを生んだ「蝗害」という恐怖の根源
「蝗害」とは、サバクトビバッタなどが異常に大量発生し、群れをなして移動しながら広範囲の農作物や草木を食い尽くす災害のことです。歴史的にも、アフリカや中東、アジアの各地で幾度となく発生し、深刻な食糧危機や飢饉を引き起こしてきました。その圧倒的な数の暴力と、緑豊かな大地を一夜にして茶色い不毛の地へと変えてしまう様は、古くから人々にとって抗いようのない天災として、深い恐怖と絶望の対象であり続けました。
呪術廻戦の世界観において、呪霊は人間の負の感情が集まって生まれる存在です。したがって、蝗GUYはこの「蝗害」という災害に対する人々の根源的な恐怖心、作物が食い荒らされることへの不安、そして抗えない自然の猛威への畏れが結実して生まれた呪霊なのです。
「GUY」に込められたニュアンス
ちなみに、名前の末尾がカタカナの「GUY」となっている点も興味深いところです。これは英語で「奴」「男」などを意味するフランクな言葉であり、真人が彼をどこか軽んじている、あるいは単なる手駒として見ているニュアンスが含まれているのかもしれません。災害そのものである「蝗害」に、人格のような「GUY」を組み合わせることで、彼のキャラクター性がより一層際立っていると言えるでしょう。このように、彼の名前一つとっても、その背景にある物語の深さを感じ取ることができます。
蝗GUYの強さは?等級と能力を紹介
蝗GUYは、呪術高専によって公式には「2級呪霊」として分類されています。しかし、この等級は彼の真の実力を正確に反映しているとは言えません。実際には、それを大きく上回る戦闘能力を秘めています。
この評価のズレを理解するためには、まず呪術廻戦における呪霊の等級システムを知る必要があります。呪霊の等級は、基本的に4級から1級、そして規格外の存在である「特級」に分けられます。この等級は、祓うために必要とされる術師のレベルに対応しており、例えば2級呪霊であれば、2級術師が単独で対応するのが基準となります。
なぜ「2級」なのか?術式の有無という基準
では、なぜ実力以上の強さを持つ蝗GUYが2級に甘んじているのか。その最大の理由は、彼が呪術的な特殊能力である「術式」を持っていないからです。呪術高専が呪霊の等級を査定する際、術式の有無やその危険度は非常に重要な判断基準となります。蝗GUYは術式を持たないため、その分だけ等級が低く見積もられているのです。
この点を的確に見抜いていたのが、作中に登場する1級術師の冥冥です。彼女は蝗GUYと遭遇した際、「準1級術師であれば問題なく祓えるが、そうでなければ複数人で当たるべきだ」と冷静に分析しました。これは、彼の等級が2級であっても、その危険度は準1級に匹敵するということを示唆しています。術式を持たない代わりに、純粋な物理戦闘能力が極めて高いレベルに達している、非常に厄介なタイプの呪霊であると彼女は判断したのです。
蝗GUYの具体的な戦闘能力
彼の戦闘能力は、そのバッタとしての特性を最大限に活かした物理攻撃に集約されています。
- 驚異的な身体能力:人間をはるかに凌駕する筋力を持ち、コンクリートの壁を軽々と破壊します。特にその脚力から繰り出される跳躍は、高層ビル間を飛び移ることも可能で、これにより三次元的な奇襲攻撃や高速での回避行動を実現します。
- 4本の腕による連続攻撃:昆虫のような4本の上肢は、それぞれが独立して動き、防御と攻撃を同時に行うなど、人間には不可能な複雑な攻防を展開します。2本で相手の攻撃を受け止めながら、残りの2本で殴りかかる、といった戦法は非常に強力です。
- 強靭な顎と外骨格:彼の体は硬い外骨格に覆われており、並大抵の物理攻撃ではダメージを与えられません。また、強力な顎は噛みつき攻撃にも使用され、一度捕らえられれば深刻なダメージは避けられないでしょう。
このように、蝗GUYは術式という飛び道具こそ持たないものの、極限まで高められたフィジカルによって準1級相当の戦闘能力を確立している、危険な呪霊なのです。
自称「蝗guyは賢い」というセリフの真相
蝗GUYというキャラクターを語る上で、絶対に外すことができないのが、彼が自信満々に放った「さてはオッオマエ 賢くないナ…!?」という象徴的なセリフです。
この発言は、渋谷の街で虎杖悠仁と対峙した際に飛び出しました。虎杖の動きや戦い方を見て、蝗GUYは彼を格下だと判断し、まるで子供に言い聞かせるかのように、この言葉を投げかけます。このセリフは、彼自身が己の知性に絶対的な自信を持ち、他者を見下す傾向にある、尊大な性格の持ち主であることを端的に示しています。
「賢さ」の自己評価と現実の乖離
しかし、物語の展開を追っていくと、彼の言う「賢さ」が言葉通りの戦略的な思考能力や狡猾さを意味しているわけではないことが明らかになります。 実際、彼は虎杖のポテンシャルを完全に見誤っていました。虎杖が呪力の核心を掴み、高威力の「黒閃」を放つ準備をしていることにも気づかず、油断して接近してしまいます。もし彼が本当に「賢い」のであれば、相手の力量を正確に分析し、距離を取るなどの慎重な立ち回りを選択したはずです。
つまり、彼の「賢い」という自己評価は、客観的な事実に基づいたものではなく、彼のプライドの高さや、呪霊としての根拠のない万能感が生み出した「虚勢」であった可能性が非常に高いと考えられます。自分を強く、賢く見せることで、自らの存在価値を証明しようとしていたのかもしれません。
セリフがキャラクターに与えた深み
この少し滑稽で、人間臭さすら感じさせる言動こそが、蝗GUYが単なる怪物で終わらなかった最大の理由です。彼の言葉と行動の間に存在する大きなギャップが、彼のキャラクターに深みと愛嬌を与えました。読者や視聴者は、彼の尊大な態度と、その後に訪れるあっけない結末との対比に、一種の皮肉やユーモアを感じ取り、強く印象に残ることになったのです。彼のこのセリフは、彼の敗北を予感させるフラグであると同時に、彼のキャラクター性を確立した名言と言えるでしょう。
呪術廻戦のバッタは何話に登場する?
蝗GUYの印象的な活躍は、アニメと原作漫画の両方で楽しむことができます。彼の登場は、物語の大きな節目である「渋谷事変」の始まりと密接にリンクしています。
アニメでの登場:第2期「渋谷事変」
アニメ版では、物語のセカンドシーズンにあたる第2期「渋谷事変」編でその姿を現します。具体的には、シリーズ通算で第32話、第2期の話数で言うと第8話にあたる「渋谷事変」の冒頭です。 このエピソードでは、五条悟を封印するために渋谷駅周辺に降ろされた複数の「帳(とばり)」の中、一般人が閉じ込められた帳の内部で、人々を恐怖に陥れる存在として登場します。現場の補助監督を無慈悲に襲撃した後、駆けつけた主人公・虎杖悠仁と対峙。高層ビルが立ち並ぶ渋谷の街を縦横無尽に飛び回りながら、迫力満点の戦闘シーンが繰り広げられました。アニメ制作会社MAPPAによる美麗かつダイナミックな作画は、彼の驚異的な身体能力を遺憾なく表現しており、必見の内容となっています。
原作漫画での登場:コミックス10巻
原作漫画においては、コミックスでは10巻の後半から始まる「渋谷事変」編で登場します。具体的な話数は、第86話「渋谷事変④」です。 ここでもアニメと同様に、渋谷事変の惨劇の幕開けを告げる象徴的な敵キャラクターとして描かれています。漫画ならではのコマ割りや構図は、アニメとはまた違った緊張感とスピード感を読者に与えます。特に、虎杖との戦闘シーンは、見開きページを大胆に使って描かれており、その迫力は圧巻です。蝗GUYの登場は、これから始まる長く過酷な戦いを予感させる、非常に重要な役割を担っているのです。
アニメ版呪術廻戦の蝗guyの声優は誰?
アニメ版「呪術廻戦」で、蝗GUYという極めて個性的なキャラクターに命を吹き込んだのは、ベテラン声優の「かぬか光明(かぬか みつあき)」さんです。
かぬか光明さんは、そのキャリアの中で非常に多彩な役柄を演じられてきた実力派として知られています。彼の声質は、温かみのある低音が特徴ですが、役柄に応じて力強さ、コミカルさ、不気味さなど、様々な表情を見せることができます。
蝗GUYの役においては、彼の演技力が遺憾なく発揮されました。ただ恐ろしいだけの怪物ではなく、どこか尊大で、少し間の抜けたような独特の口調を完璧に再現。特に「賢くないナ…!?」というセリフの、相手を小馬鹿にしたような、それでいてどこか憎めないイントネーションは、かぬかさんの演技があってこそ生まれたものと言えるでしょう。彼の声によって、蝗GUYは原作のイメージを損なうことなく、さらに魅力的なキャラクターへと昇華されたのです。
彼の他の有名な役柄としては、「ゴールデンカムイ」における不死身の柔道家・牛山辰馬役が挙げられます。屈強な肉体を持ちながらも、女性にはめっぽう弱いというギャップのあるキャラクターを見事に演じました。他にも数多くの作品に出演されており、アニメファンであれば一度は彼の声に触れたことがあるはずです。
呪術廻戦のバッタの声優はかぬか光明
前述の通り、呪術廻戦の世界で多くの視聴者に鮮烈な印象を残したバッタの呪霊、蝗GUY。その声を担当したのは、声優のかぬか光明さんです。ここでは、彼の演技が蝗GUYというキャラクターをいかに魅力的にしたか、その貢献度についてさらに深く考察してみましょう。
キャラクターの声というものは、その人格や背景を視聴者に伝える上で極めて重要な要素です。かぬかさんの演技は、まさにそのお手本と言えるものでした。
声によって与えられた「キャラクター性」
かぬかさんは、蝗GUYの持つ「根拠のない自信」と「滑稽さ」という二つの側面を、声色だけで巧みに表現しました。彼のセリフ回しは、一つ一つの言葉を区切るように、そして少し勿体ぶったように発音されるのが特徴です。これは、自分を実際以上に大きく見せようとする、彼の虚栄心に満ちた内面を完璧に反映しています。
もし、彼の声が単に低く、威圧的なだけであったなら、彼はただの「恐ろしい敵A」で終わってしまったかもしれません。しかし、かぬかさんの演技には、どこかユーモラスな響きが含まれていました。この絶妙なバランス感覚こそが、蝗GUYを単なる敵対者から、ファンに愛される「キャラクター」へと押し上げた最大の要因なのです。
制作陣の意図を汲んだ演技
このようなユニークなキャラクターが生まれる背景には、声優個人の技量だけでなく、音響監督をはじめとする制作スタッフの明確なディレクションがあったと推測されます。おそらく、「ただの怪物にしないでほしい」「彼の持つおかしみを表現してほしい」といった指示があったのではないでしょうか。かぬか光明さんは、その制作陣の意図を完璧に理解し、期待以上の演技で応えた結果、私たちはこれほどまでに記憶に残る蝗GUYに出会うことができたのです。彼の声は、間違いなく蝗GUYというキャラクターの魂そのものと言えるでしょう。
呪術廻戦こうがいが持つ意外な魅力と評価
- ネットで蝗guyがかわいいと言われる理由
- 呪術廻戦のバッタがかわいいという声も
- 蝗guyはなんjでどう評価されているのか
- 原作漫画での蝗GUYの活躍シーン
- 総括:呪術廻戦こうがいの魅力と特徴
ネットで蝗guyがかわいいと言われる理由
蝗GUYは、その出自や行動を見ればまぎれもなく人類の敵である呪霊です。それにもかかわらず、インターネット上のファンコミュニティでは「かわいい」という、一見すると不釣り合いな評価を数多く受けています。この現象の背景には、いくつかの複合的な理由が存在します。
最大の理由は、繰り返しになりますが、彼の持つ「ギャップ」です。
- 強さと滑稽さのギャップ:準1級相当という高い戦闘能力を持ちながら、言動はどこかコミカル。このアンバランスさが、恐怖心を和らげ、代わりに親しみやすさを感じさせます。
- 見た目と内面のギャップ:いかつい巨大なバッタという恐ろしい外見とは裏腹に、その精神性は「自分を賢いと思い込んでいる少しプライドが高い子供」のようです。この精神的な幼さが、庇護欲のような感情を刺激し、「かわいい」という評価に繋がっていると考えられます。
キャラクターデザインが持つ愛嬌
また、アニメ版のキャラクターデザインも、この評価に大きく貢献しています。彼のデザインは、リアルな昆虫の不気味さを追求するというよりは、どこかアニメキャラクターらしいデフォルメが加えられています。特に、大きく見開かれた丸い目は、感情が読み取りやすく、戦闘中に見せる驚いたような表情や、自信満々な表情が、彼の感情の豊かさを伝えます。こうした細やかな描写が、無機質な怪物ではなく、感情を持った一個のキャラクターとして彼を認識させ、愛着を抱かせる要因となっているのです。
シリアスで重厚なストーリーが展開される「呪術廻戦」において、彼の存在は一種の清涼剤のように機能しました。絶望的な状況の中で一瞬見せるコミカルなやり取りが、視聴者の緊張を和らげ、結果として強い印象とともに好意的な感情を抱かせたのです。
呪術廻戦のバッタがかわいいという声も
前述の通り、呪術廻戦に登場するバッタ、すなわち蝗GUYに対して「かわいい」という感情を抱くファンの声は、決して一部の特殊な意見ではありません。これは、各種SNSやイラスト投稿サイトなどで、一つの確立された評価として広く共有されています。
SNSでのリアルタイムの反応
彼の活躍がアニメで放送された際には、X(旧Twitter)のトレンドに彼の名前や関連ワードがランクインするなど、大きな話題となりました。その際の投稿内容を見てみると、「今日の呪術、バッタがかわいすぎた」「蝗GUY推せる」「敵だけど憎めない」といった好意的な感想が大多数を占めていました。このリアルタイムでの共感の連鎖が、「蝗GUY=かわいい」という認識をファンの間で一気に広める結果となったのです。
二次創作におけるキャラクター像
ファンによる二次創作の世界でも、彼の人気は健在です。イラスト投稿サイト「pixiv」などでは、蝗GUYをテーマにしたファンアートが数多く投稿されています。その多くは、彼の持つコミカルな側面を強調したもので、本来の恐ろしい姿からデフォルメされた、愛らしいマスコットキャラクターのように描かれることが少なくありません。中には、もし彼が呪霊でなかったら、というIFの世界線で、他のキャラクターと平和に過ごす様子を描いた作品も見受けられます。
このように、ファンは公式から提供された情報を元に、自由な発想でキャラクターの新たな魅力を発見し、共有していきます。蝗GUYは、その格好の題材となった稀有な例です。敵役でありながら、これほどまでにポジティブな二次創作が生まれるキャラクターは珍しく、彼がファンの想像力を強く刺激する、特別な存在であることがうかがえます。
蝗guyはなんjでどう評価されているのか
インターネットの巨大匿名掲示板群、特に「なんJ(なんでも実況J)」に代表されるようなコミュニティにおいて、蝗GUYは非常に特殊な形で愛されるキャラクターとして確固たる地位を築いています。ここでの彼の評価は、一言で言えば「極上のネタキャラ」です。
なんJなどのコミュニティには、強いキャラクターをあえて格下に見立てていじったり、作中のセリフを文脈から切り離して定型文(語録)として流用したりする独特の文化が存在します。蝗GUYは、そのキャラクター性や作中での活躍(?)が、この文化に完璧にマッチしていました。
「賢くないナ」語録の汎用性
彼の代名詞である「さてはオッオマエ 賢くないナ…!?」というセリフは、その筆頭です。このセリフは、議論で的を射ない意見を言う相手を揶揄する時、スポーツ選手が凡ミスを犯した時、あるいは投稿者自身が何か愚かな行動をしてしまった時の自虐ネタとして、驚くほどの汎用性をもって使われています。もはや、元の作品を知らない人でもこのフレーズだけは知っている、という状況すら生まれています。
「かませ犬」としての美学
また、彼の散り際もネタにされています。冥冥から準1級相当と評価され、自信満々に登場したにもかかわらず、主人公である虎杖悠仁の「黒閃」一発で跡形もなく消し飛ぶという結末。この鮮やかすぎるほどの「かませ犬」っぷりが、「最高の仕事をした」「かませ犬の鑑」と、むしろ賞賛の対象となっているのです。強敵が登場しては、より強い主人公の引き立て役となって散っていく、という少年漫画の王道パターンを、彼が身をもって体現したことが、一周回って高い評価に繋がっています。
このように、なんJ界隈における蝗GUYは、物語のシリアスな側面とは切り離され、純粋なエンターテインメントの素材として消費され、愛され続けているのです。
原作漫画での蝗GUYの活躍シーン
原作漫画に目を向けると、蝗GUYは短い登場期間ながら、物語の構成上、極めて重要な役割を担っていたことが分かります。彼の活躍は、単なる一戦闘シーンに留まらず、「渋谷事変」という長大な物語の導入部として完璧に機能していました。
惨劇の始まりを告げる号砲
彼の最初の役割は、渋谷事変という未曾有の呪術テロが、これまでの戦いとは次元の違う、一般人を巻き込んだ無差別なものであることを読者に叩きつけることでした。帳が降ろされ、何が起きているか分からず混乱する一般市民や、彼らを守ろうとする補助監督の前に現れた蝗GUY。彼が無慈悲に人々を襲うシーンは、これから始まる地獄絵図の序章として、読者に強烈なインパクトと緊張感を与えました。彼の存在が、渋谷事変の非情さを象徴していたのです。
主人公の成長を示す試金石
そして、彼のもう一つの重要な役割が、主人公・虎杖悠仁の成長を読者に明確に示すための「試金石」となることでした。物語初期の虎杖は、強力な呪霊と戦う際には宿儺の力を借りる場面も少なくありませんでした。しかし、この蝗GUYとの戦闘では、虎杖は自らの力だけで、準1級相当の強敵を圧倒します。 特に、戦闘のフィニッシュとなった「黒閃」は、彼の呪術師としてのレベルが格段に上がっていることを示す決定的な一撃でした。蝗GUYという、等級以上の実力を持つ難敵を相手に、虎杖が成長した姿を見せつける。この対戦カードは、主人公の強さを効果的に演出するための、計算され尽くした舞台装置だったと言えます。蝗GUYは、いわば最高の形で主人公の引き立て役という大役を果たし、物語から退場していったのです。
総括:呪術廻戦こうがいの魅力と特徴
この記事を通じて解説してきた、「呪術廻戦」の特異なキャラクター、こうがい(蝗GUY)に関する重要な情報を、最後に箇条書きでまとめます。
- 呪術廻戦に登場するバッタの姿をした呪霊の名前は「蝗GUY(こうがい)」
- その名前は、実際の災害である「蝗害」に由来している
- 人間が蝗害に対して抱く、根源的な恐怖心から生まれた存在
- 偽夏油一派の呪霊・真人が名付け親である
- 呪術高専による公式な等級は「2級呪霊」
- 等級が2級なのは、彼が術式を持たないため
- 1級術師・冥冥の分析では、その実力は「準1級」に相当する
- 戦闘スタイルは、4本の腕と驚異的な跳躍力を駆使した純粋な肉弾戦
- アニメ版では第2期「渋谷事変」の第32話に登場する
- 原作漫画ではコミックス10巻の第86話から登場する
- 担当声優は、ベテランの実力派である「かぬか光明」さん
- かぬか光明さんの演技が、キャラクターに深みと愛嬌を与えた
- 「さてはオッオマエ 賢くないナ…!?」というセリフが彼の代名詞
- 自らを「賢い」と称するが、実際の行動は伴っておらず滑稽に映る
- その強さと言動のギャップが、ファンの間で「かわいい」と評価される最大の理由
- アニメでの少しデフォルメされたキャラクターデザインも人気の要因
- X(旧Twitter)やpixivでは、ファンアートなどの二次創作も活発
- なんJなどの匿名掲示板では「最高のネタキャラ」「かませ犬の鑑」として愛されている
- 物語における彼の役割は、渋谷事変の惨劇の始まりを告げること
- もう一つの役割は、主人公・虎杖悠仁の成長を示すための試金石となること
- 短い登場ながら、物語の導入部として完璧な役割を果たした
- 敵キャラクターでありながら、ファンに多様な形で愛される稀有な存在