呪術廻戦

呪術廻戦特級呪霊16体の正体とは?一覧や強さを徹底解説

呪術廻戦』の物語に、圧倒的な恐怖と絶望をもたらす存在、それが「特級呪霊」です。多くのファンが一度は「呪術廻戦特級呪霊 16体」という言葉を検索したことがあるかもしれませんが、その正体や全体像は非常に複雑で、謎に満ちています。この記事では、その「16体」という数字の真相から、作中に登場する全ての特級呪霊を網羅した呪術廻戦の呪霊一覧、そしてそれぞれの名前や能力、さらにはおぞましい姿が分かる画像(の解説)まで、徹底的に深掘りします。

また、本記事ではファンの間で議論が白熱する呪術廻戦特級呪霊ランキングを独自の視点で考察するだけでなく、物語の根幹に関わる呪術廻戦の特級呪物や、特異な存在である特級過呪怨霊の一覧にも言及します。そして、これらの脅威に唯一対抗しうる存在、呪術廻戦の特級術師たちの強さにも焦点を当て、呪術廻戦の世界を立体的に解き明かしていきます。

この記事で分かること

  • 「特級呪霊16体」という説の真相と実際の登場数
  • 主要な特級呪霊の名前、能力、そしてその元となった恐怖
  • 呪霊、呪物、受肉体、呪術師の複雑な関係性
  • 作中で活躍または暗躍した強大な呪霊たちの概要

呪術廻戦特級呪霊16体説の真相を解説

  • そもそも特級呪霊の定義と強さは?
  • 呪術廻戦の特級呪霊16体の一覧を紹介
  • 呪術廻戦特級呪霊16体の名前と能力
  • 画像で見る呪術廻戦の特級呪霊16体
  • 独自考察!呪術廻戦特級呪霊ランキング

そもそも特級呪霊の定義と強さは?

『呪術廻戦』の世界において、呪霊はその危険度に応じて4級から1級、そして最上位の「特級」という階級に分類されます。この「特級」は、他の階級とは比較にならないほどの絶大な力を持つ呪霊に与えられる、いわば規格外の称号です。

他の階級とは一線を画す「特級」の基準

呪術高専が定める呪霊の強さの目安は、非常に具体的です。例えば、最も弱い4級は「木製バットで余裕」、3級は「拳銃があれば安心」、2級は「散弾銃でギリギリ」、そして1級は「戦車でも心細い」とされています。これらと比較すると、特級の「クラスター弾での絨毯爆撃でトントン」という基準がいかに異次元であるかが分かります。これは、一個人の力では到底太刀打ちできず、国家レベルの軍事力をもってしても、ようやく相討ちに持ち込めるかどうかという絶望的な強さを示しているのです。

このため、特級呪霊が確認された場合、その討伐任務には原則として同じく最高位である「特級呪術師」が派遣されることになります。1級術師であっても、特級呪霊を単独で祓うことは極めて困難であり、死のリスクが非常に高い任務となります。

同じ「特級」でも存在する絶大な力の差

「特級」という階級は、実質的な上限として機能しているため、その内部には計り知れないほどの強さの幅が存在します。これが特級呪霊の厄介さをさらに増している要因です。

例えば、物語序盤に登場した少年院の特級呪霊は、宿儺の指を一本取り込んだことで特級相当の力を得ましたが、覚醒した宿儺にあっけなく祓われました。一方で、偽夏油(羂索)一派の漏瑚は、夏油自身から「宿儺の指8、9本分の強さはある」と評価されています。彼は五条悟や宿儺といった作中最強クラスのキャラクターと戦ったために敗北しましたが、その実力は特級の中でも間違いなく上位に位置します。

このように、同じ特級という枠組みの中にありながら、その戦闘能力には天と地ほどの差があるのです。この点を理解しておくことは、作中の戦闘シーンの勝敗やキャラクターたちの力関係を正しく把握する上で、非常に大切なポイントとなります。

呪術廻戦の特級呪霊16体の一覧を紹介

ファンの間で広く知られている「特級呪霊16体」という数字。これは、物語開始時点において、呪術高専がその存在を公式に把握し、登録管理していた特級呪霊の総数を指します。しかし、これはあくまで氷山の一角に過ぎませんでした。

高専登録の特級呪霊と登録外の脅威

高専が登録していた16体の中には、夏油傑が使役していた「化身玉藻前」や、後に羂索が使役した「疱瘡神」などが含まれていると推測されます。これらは古くから知られる妖怪や疫病への恐怖から生まれた、いわば既存の脅威でした。

ところが、物語が進むにつれて、この「16体」という枠組みは急速に意味をなさなくなっていきます。その最大の要因が、偽夏油(羂索)によって率いられた未登録の特級呪霊たちの出現です。人間への純粋な憎悪から生まれた真人、大地の怒りを体現する漏瑚、森の静かなる憤怒を秘めた花御、そして海の恐怖そのものである陀艮。彼らは、現代社会が生み出した新たな、そしてより根源的な恐怖から誕生した新世代の特級呪霊でした。

なぜ特級呪霊は増え続けるのか

特級呪霊が次々と現れる背景には、1000年以上も前から暗躍する呪術師・羂索の存在があります。彼の目的は、呪術師と非術師の境界を曖昧にし、日本全土を巻き込んだ呪術的カオス、すなわち「呪術全盛、平安の世」を現代に再現することです。

そのために彼は、意図的に呪霊を解き放ったり、強力な呪物である宿儺の指を各地に散布したりすることで、呪いの総量を増やし、世界の均衡を破壊しようとしました。少年院や八十八橋で一般の呪霊が宿儺の指を取り込み、後天的に特級呪霊へと変貌した事件は、まさに彼の計画の一端が現れたものでした。したがって、「特級呪霊がホイホイ出てくる」という五条の言葉通り、作中の特級呪霊の増加は、羂索という明確な黒幕によって引き起こされた人為的な事象であると言えるのです。

呪術廻戦特級呪霊16体の名前と能力

ここでは、作中で特に重要な役割を果たした特級呪霊たちの名前と、その恐るべき能力について、個別に詳しく解説していきます。

祈本里香(おりもとりか):呪いの女王

彼女は、本作の前日譚『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』に登場する特級過呪怨霊です。元々は乙骨憂太の幼馴染でしたが、彼の目の前で事故死。しかし、その死を受け入れられない乙骨の無意識の呪いによって、現世に縛り付けられました。その力は「呪いの女王」と称されるにふさわしく、底なしの呪力と変幻自在の形状、そして乙骨の術式を無条件で模倣する能力など、他の特級呪霊とは一線を画す規格外の存在です。夏油傑が引き起こした「百鬼夜行」では、乙骨と共に夏油を打ち破り、その力の片鱗を見せつけました。

真人(まひと):無邪気な悪意の化身

人が人を恐れ、憎むという負の感情から生まれた特級呪霊。見た目は無邪気な青年のようですが、その内面は極めて冷酷かつ残忍です。彼の術式「無為転変」は、触れた相手の魂の形を認識し、自在に肉体を変形させるというもの。人間を醜い改造人間に変えて弄んだり、自身の体を武器や動物の形に変えて戦ったりと、応用の幅が非常に広いです。魂そのものを知覚する能力を持つため、物理攻撃ではダメージを与えにくく、魂に干渉できる虎杖悠仁や七海建人のような術師でなければ対抗は困難でした。物語を通して何度も虎杖の前に立ちはだかり、精神的にも肉体的にも彼を追い詰めた最大の宿敵の一人です。

 漏瑚(じょうご):大地の怒りの体現者

大地や火山への畏怖から生まれた特級呪霊。頭部が火山のような形状をしており、非常に短気でプライドが高い性格です。人間を偽物と断じ、呪霊こそが真の人間であるという思想を持っています。その戦闘能力は極めて高く、強力な火炎を操る術式や、相手を灼熱の空間に閉じ込める領域展開「蓋棺鉄囲山」を駆使します。作中では五条悟や両面宿儺という最強の相手とばかり戦ったため、敗北する姿が目立ちましたが、夏油からは宿儺の指8〜9本分と評されており、その実力は本物です。最期に宿儺から強者としての敬意を払われたシーンは、彼の誇り高さを示す印象的な場面でした。

花御(はなみ):森の守護者にして破壊者

森林や自然への畏れから生まれた特級呪霊。他の仲間とは異なり、物静かで紳士的な立ち居振る舞いを見せますが、自然を破壊する人間に対しては一切の容赦がありません。植物を自在に操る術式を使い、相手の呪力を吸い取る「お花畑」や、鋭い木の根による攻撃など、多彩な技で戦います。特筆すべきはその驚異的な耐久力で、京都姉妹校交流会編では、虎杖の黒閃と東堂葵の猛攻を立て続けに受けてもなお、戦闘を続行できるほどのタフネスを誇りました。渋谷事変では五条悟の「無下限呪術」によって押し潰され、領域展開を見せることなく散ったことが惜しまれます。

陀艮(だごん):海の恐怖の化身

海への畏れから生まれた特級呪霊。当初は人語を話さず、タコのような呪胎の姿で登場していましたが、仲間である花御を殺された怒りによって、筋骨隆々な成体へと変貌を遂げました。彼の領域展開「蕩蘊平線(たううんへいせん)」は、美しい南国の海辺を模した空間ですが、その内では無数の水棲生物の式神による必殺の攻撃が対象を襲います。渋谷事変では、1級術師である七海建人、禪院直毘人、禪院真希の3人を同時に相手取り、圧倒するほどの実力を見せつけました。しかし、そこに乱入してきた伏黒甚爾によって、為す術もなく祓われるという壮絶な最期を迎えました。

その他の特級呪霊たち

上記以外にも、羂索が使役した疱瘡(天然痘)への恐怖から生まれた疱瘡神、ゴキブリへの嫌悪から生まれた黒漆死、禪院家の術師が死後転じた呪霊・禪院直哉など、多種多様な特級呪霊が登場し、物語を彩っています。

画像で見る呪術廻戦の特級呪霊16体

ここでは、アニメや漫画で描かれた特級呪霊たちの特徴的なビジュアルについて、さらに詳しく解説します。彼らの姿は、その能力や性格を色濃く反映しています。

真人(まひと)の最も印象的な特徴は、顔や全身を走る無数の「継ぎ接ぎ」です。これは、彼が自身の肉体すらも「無為転変」で自在に変形させていることを示しており、彼のアイデンティティそのものと言えます。銀髪にオッドアイという中性的な容姿と、時折見せる子供のような無邪気な笑顔のギャップが、彼の底知れない不気味さを引き立てています。

漏瑚(じょうご)は、その名の通り、頭部が今にも噴火しそうな火山になっているのが最大の特徴です。中央に一つだけある大きな目は、彼の感情、特に怒りを雄弁に物語ります。小柄な体格に反して、その態度は尊大そのものであり、そのギャップがキャラクターとしての魅力を生んでいます。

花御(はなみ)のデザインは、自然との一体化を強く感じさせます。顔の左半分は木の枝のようなもので覆われ、目があるべき場所には不気味な紋様が刻まれています。筋骨隆々とした体は、まるで古木のような硬質さを感じさせ、彼の驚異的な耐久力を視覚的に表現しています。

陀艮(だごん)は、呪胎時の可愛らしい(?)タコのような姿から、成体時の筋骨隆々な神のような姿への変貌が衝撃的でした。この変化は、彼が仲間を想う純粋な怒りによって、内なる力を解放したことを示しています。

疱瘡神は、老婆のような姿で杖をつき、墓石を操るという、疫病がもたらす「死」のイメージを直接的に反映したデザインとなっています。これらのビジュアルは、単なる怪物としてではなく、それぞれの背景を持つキャラクターとして彼らを際立たせる重要な要素なのです。

独自考察!呪術廻戦特級呪霊ランキング

特級呪霊の強さを一つの物差しで測ることは不可能に近いですが、作中での活躍や能力の危険度などを基に、あえてランキング形式で考察してみたいと思います。これはあくまで一つの解釈としてお楽しみください。

第1位:祈本里香(特級過呪怨霊) 理由:純粋な呪力量とポテンシャルの高さで、他を圧倒していると考えられます。「呪いの女王」の異名は伊達ではなく、乙骨の術式模倣能力と合わさることで、その戦闘能力は計り知れません。夏油傑の「極ノ番うずまき」と正面から撃ち合って勝利した実績は、彼女の別格さを証明しています。

第2位:真人 理由:その成長速度と術式の厄介さが最大の理由です。魂に直接干渉する「無為転변」は、対策を知らない相手にとってはほぼ即死攻撃となり得ます。また、戦闘を通して学び、自身の魂の本質を掴むことで「黒閃」を放つまでに至るなど、その学習能力と進化のスピードは驚異的でした。

第3位:漏瑚 理由:圧倒的な火力が魅力です。五条や宿儺という規格外の存在がいなければ、彼の領域展開「蓋棺鉄囲山」から生還できる術師はほとんどいないでしょう。宿儺に「誇れ」と言わしめたその実力は、特級の中でも紛れもなくトップクラスです。

第4位:呪霊・禪院直哉 理由:生前の術式「投射呪法」を呪霊としてさらに昇華させたスピードと、領域展開「時胞月宮殿」の凶悪さが評価のポイントです。領域内では、触れた相手に自分と同じ動きを強要し、従わなければ細胞レベルでフリーズさせるという極めて強力な能力を誇ります。覚醒した禪院真希でなければ対応は不可能だったでしょう。

第5位:花御 理由:特筆すべきはその圧倒的な耐久力です。彼のタフネスがなければ、虎杖と東堂のコンビとあれほどまでの激戦を繰り広げることはできませんでした。広範囲を攻撃する能力や相手の呪力を吸う能力も持ち合わせており、総合的な戦闘能力は非常に高いと考えられます。

呪術廻戦特級呪霊16体以外の強大な存在

  • 登録外も含む呪術廻戦の呪霊一覧
  • 受肉体を生む呪術廻戦の特級呪物
  • 特級過呪怨霊の一覧とその正体
  • 呪霊と戦う呪術廻戦の特級術師
  • 総括:呪術廻戦特級呪霊16体の謎と魅力

登録外も含む呪術廻戦の呪霊一覧

前述の通り、呪霊の世界は高専が把握するものが全てではありません。ここでは、呪霊をその発生原因から分類し、さらに理解を深めていきます。

発生源による呪霊の分類

呪霊は、大別して「人々が抱く漠然とした恐怖の集合体」から生まれます。しかし、その恐怖の対象によって、いくつかの種類に分けられます。

  • 通常の呪霊: 土地や場所、特定の行為など、実在するものへの負の感情から生まれます。漏瑚(大地)や花御(森)などがこれに該当します。
  • 仮想怨霊(かそうおんりょう): これは、怪談や都市伝説、妖怪など、実在しない架空の存在への恐怖が形になったものです。夏油が使役した「口裂け女」や、真人が存在を言及した「トイレの花子さん」がこの例です。人々の共通認識、つまり「みんながそうだと信じている」という力が呪いの強度を決定します。
  • 特定疾病呪霊(とくていしっぺいじゅれい): 天然痘(疱瘡)やコレラなど、特定の疫病がもたらす死と苦しみへの恐怖から生まれます。作中で登場した「疱瘡神」は、冥冥を相手に領域展開を繰り出すなど、極めて高い戦闘能力を示しました。
  • 怨霊: これは、人間が強い未練や憎悪を抱いたまま死に、呪いへと転じたものです。多くの場合、特定の個人や場所への強い執着心を持っています。禪院直哉が死後に呪霊化したのが、この最も分かりやすい例です。

これらの分類を知ることで、それぞれの呪霊がなぜ生まれ、どのような性質を持つのかをより深く理解することができます。

受肉体を生む呪術廻戦の特級呪物

呪霊と混同されがちですが、全く異なる存在として「受肉体」があります。これは、人間が「特級呪物」を体内に取り込むことで、呪物の主がその肉体を器として現世に蘇った状態を指します。

呪いの王の器:虎杖悠仁と両面宿儺

物語の根幹をなす特級呪物が、千年以上前に実在した「呪いの王」両面宿儺の指です。彼の死後、その強大すぎる力は20本の指に分かたれ、特級呪物として各地に封印されました。これらは互いに引き合い、呪いを呼び寄せる危険な代物です。

主人公の虎杖悠仁は、友人を救うためにこの指を飲み込み、宿儺の器となります。通常、常人であれば即座に肉体を乗っ取られるか、猛毒に耐えきれず死亡します。しかし虎杖は、千年に一度の逸材として、宿儺の意識を抑え込み、自身の自我を保つことができました。この特異な状況が、『呪術廻戦』の物語の始まりとなります。重要なのは、宿儺は呪霊ではなく、あくまで「元人間」の呪術師が受肉した存在であるという点です。作中で彼が魔虚羅の対呪霊に特化した「退魔の剣」を受けても致命傷にならなかったのは、このためです。

血の兄弟の絆:呪胎九相図

もう一つの重要な特級呪物が、宿儺の指と同等の危険度を持つとされる「呪胎九相図」です。これは明治時代、呪霊の子を身ごもることができた特異体質の女性と、呪術師・加茂憲倫(当時の羂索)によって生み出された、9体の呪霊と人間のハーフの胎児です。

作中では、真人が高専から1番から3番を奪取し、それぞれ長男・脹相、次男・壊相、三男・血塗として受肉させました。彼らは血の繋がった兄弟であり、何よりも兄弟間の絆を重んじます。特に長男の脹相は、加茂家相伝の「赤血操術」を操り、渋谷事変では虎杖と死闘を繰り広げました。その戦いの最中、存在しないはずの記憶によって虎杖を弟と誤認し、以降は彼の強力な味方となるなど、物語に複雑なドラマをもたらす重要なキャラクターです。

特級過呪怨霊の一覧とその正体

特級呪霊の中でも、その成り立ちと性質において最も特異な存在が「特級過呪怨霊」です。このカテゴリーに分類されるのは、作中でただ一人、乙骨憂太に取り憑いていた「祈本里香」のみです。

愛が産んだ最強の呪い

通常の怨霊が「憎しみ」から生まれることが多いのに対し、特級過呪怨霊・里香は、乙骨憂太の里香に対する「純粋な愛情」と「死を受け入れたくないという拒絶」から生まれました。乙骨と里香は幼い頃に結婚を約束した仲でしたが、里香は乙骨の目の前で交通事故に遭い、命を落とします。

その瞬間、乙骨は無意識のうちに「里香に死んでほしくない、ずっと一緒にいたい」と強く願ってしまいました。この願いが、彼の類稀なる呪術の才能と結びつき、里香の魂をこの世に縛り付ける強力な「呪い」となったのです。つまり、里香が乙骨を呪ったのではなく、乙骨が愛するがゆえに里香に呪いをかけてしまった、というのが真相でした。この主従が逆転した関係性こそが「過呪」と呼ばれる所以です。

解呪、そして新たな力へ

『呪術廻戦 0』のクライマックスで、乙骨は里香の魂を解放するために、自らの命を懸ける覚悟で夏油傑に立ち向かいます。そして、呪いの主従関係を破棄したことで、里香は成仏し、呪いは解かれました。

しかし、本編で乙骨が使役している「里香」は、この過呪怨霊だった彼女そのものではありません。これは、解呪後に残った彼女の力と思いを、乙骨が自身の式神として外付けで運用しているものです。それでもなお絶大な力を誇ることから、生前の特級過呪怨霊がいかに規格外の存在であったかがうかがえます。

呪霊と戦う呪術廻戦の特級術師

これほどまでに強力で多様な特級呪霊たちに、唯一対抗しうるのが、呪術師の最高位「特級呪術師」です。彼らは、たった一人で国家を転覆させることが可能とされるほどの戦略兵器級の存在であり、呪術界のパワーバランスを維持する上で欠かせない柱です。

五条悟:現代最強の呪術師

「無下限呪術」と「六眼」という、相伝の術式と特殊な眼を併せ持って生まれた、文字通り現代最強の術師です。彼が一人いるというだけで、敵対勢力は迂闊な行動を起こせず、世界の均衡が保たれています。その戦闘能力は圧倒的で、複数の特級呪霊を同時に相手にしても全く寄せ付けません。

夏油傑:最悪の呪詛師

かつては五条悟の唯一の親友であり、共に最強を名乗った特級呪術師。降伏した呪霊を取り込み、自在に操る「呪霊操術」の使い手です。ある任務をきっかけに「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作る」という思想に傾倒し、最悪の呪詛師へと堕ちました。彼の死後、その肉体は羂索に乗っ取られ、物語最大の脅威として暗躍を続けます。

乙骨憂太:底知れぬ呪力の異能者

『呪術廻戦 0』の主人公。当初は呪術と無縁の気弱な少年でしたが、その身には日本三大怨霊の一人である菅原道真の子孫としての血が流れており、日本屈指の呪力量を秘めていました。祈本里香を解呪した後もその力は健在で、他者の術式を模倣する能力など、未知数の可能性を秘めています。

九十九由基:呪いの根絶を目指す探求者

他の3人とは異なり、高専とは距離を置いて単独で行動する特級呪術師。彼女の目的は、対症療法としての呪霊の討伐ではなく、呪いの発生源そのものを断つという根本的な解決です。そのために「全人類の呪力からの脱却」を研究しており、物語の核心に迫る知識と独自の思想を持っています。自身の魂(ソウル)と、式神「凰輪(ガルダ)」に仮想の質量を付与する術式「星の怒り(ボンバイエ)」の使い手です。

総括:呪術廻戦特級呪霊16体の謎と魅力

この記事では、「呪術廻戦特級呪霊16体」というテーマから派生する、奥深い呪いの世界を詳細に解説してきました。最後に、この記事で明らかになった重要なポイントを箇条書きでまとめ、締めくくりとします。

  • 「特級呪霊16体」とは高専が公式に登録していた数で、物語開始時点の目安に過ぎない
  • 真人や漏瑚といった未登録の特級呪霊が、羂索の計画の元で次々と出現した
  • 特級の強さは「クラスター弾での絨毯爆撃」に匹敵するが、同じ階級内でも強さには天と地ほどの差がある
  • 特級呪霊の能力や姿は、その発生源となった「人々が抱く恐怖」を色濃く反映している
  • 真人は「人間への恐怖」、漏瑚は「大地への恐怖」、花御は「森への恐怖」から誕生した
  • 祈本里香は、乙骨の里香への強すぎる愛情と執着が産んだ、唯一無二の「特級過呪怨霊」である
  • 特級呪物は、人間を受肉させ強力な存在を現世に蘇らせる極めて危険な呪物
  • 両面宿儺は呪霊ではなく、特級呪物である指から受肉した「呪いの王」
  • 呪胎九相図は、呪霊と人間のハーフであり、血の絆を何よりも重んじる特異な存在
  • 呪霊は、仮想怨霊(都市伝説など)、特定疾病呪霊(疫病など)、怨霊(人間の死後の姿)など多様な種類に分類される
  • 人間も、強い憎しみを抱いて死ぬと、禪院直哉のように強力な呪霊へ転じることがある
  • 特級呪霊という絶望的な脅威に対抗できるのは、基本的に特級呪術師のみ
  • 特級呪術師は、五条悟、夏油傑、乙骨憂太、九十九由基のわずか4名
  • 彼ら特級呪術師は、それぞれが単独で国家転覆可能な規格外の能力を持っている
  • 呪霊たちの背景には、現実社会が抱える環境破壊や人間不信といった負の側面が映し出されている
  • 敵役である呪霊たちが持つ人間臭い感情や哲学が、『呪術廻戦』の物語に比類なき深みを与えている
  • 特級呪霊と特級術師の戦いは、単なる善悪の対決ではなく、異なる信念と正義がぶつかり合う壮大なドラマである

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